わたしたち人は、
ふっと泡のように消えてしまう
「ことば」をとどめたくて、
文字を生み出し、情報にし、
技術を育ててきました。
そのおかげでいまでは、
どこにいても、
遠くの出来事や
かつて出会うことのなかった誰かの声に
触れられるようになりました。
それだけが原因ではないけれど気づけば、
世界はたくさんの“ノイズ”にもあふれていて、
目を背けたくなるようなことも・・・
時系列に進歩しているのなら、
そろそろなくなってもいいのに
そんな疑問が、ふと頭をよぎることがあります。
それは、進化の副産物なのか。
それとも、自分自身でつくり出した呪縛なのか。
あるいは、ホモサピエンスとしてのヒトという種の、抗(あらが)えない性(さが)なのか。
だからこそ、
せめてお茶の時間くらいは。
雑音から少し離れて、
自分に立ちもどる、やわらかなひとときを。
やさしい香りに包まれて、
ふっと心がゆるみ、
自分の輪郭がそっと浮かび上がってくるように
そんな時間をお届けできたら嬉しいです。
