Tadelakt ~タデラクト~
聞きなれない名前ですが、今回たま茶の改装の中でも、ひとつの目玉.
”タデラクト”はモロッコの伝統的な左官技法です.
ナツメヤシの葉を燃料にした焼き釜で焼成した生石灰を原料につくられた消石灰で、
仕上がりが独特の質感で、特徴でもある撥水性を持つので、洗面所や風呂に使われています。
日本の左官会でも近年話題を呼んでいるようです。ようやく形になったので、お披露目を。
まずは、予め用意してあった下地をトイレに据え付けます。
壁面には、防水シート+ラス網+モルタル下地でR壁を作りました。
ではタデラクトの手順です。
<1>消石灰の粉を施工の12~15時間くらい前に水で練置きをしておきます。前の晩に仕込みます。あらかじめ骨材は入っているので、そのままで。
<2>寝かせておいた材料を塗りつけます。その前に、これでもかっというくらい水打ちをしておく(水をまく)。塗りつけは追っかけ(最初薄塗で、半乾きになったらある程度厚みをもたせて塗る。)で、3~5mm程度の厚みを。水引き(時間がたつと骨材が沈んで、ノロが表面にあがってくる)の様子を見ながら、木鏝でズリズリと馴らします。これを何度かします。 っとさらっと書きましたが、このあんばいが結構難しくて、力の入れ方だったり、馴らしのタイミングにはコツがいります。ちなみに木ごては廃材で適当につくりました。
<3>ある程度木鏝で表面を馴らしたあと、”石”で表面をさらに作っています。漆喰などいわいる左官のしごとで仕上げに使うのは金ゴテなのですが、このタデラクトは石を仕上げに使います。
石は河原で拾ってきたものを使いました。この工程で表面に少しずつ艶が・・・。
やさしくやさしく円を描きながら・・・。
仕上げに、プラスティックの板で表面をならします。
<4>一日以上表面を乾かしたあと、今度は黒石鹸(モロッコのオリーブ)を水で溶いたものを
全面に刷毛などでぬり、もう一度石で磨いていきます。こうすうることで、撥水効果+ツヤがでてきます。
上の方から乾いてくると白色になってきます。(顔料入れていないので・・・。)
あとは、設備を据えて完成!!